遊戯王というカードゲームはテキストの微妙な差異によってルールや裁定が異なることが多い。(テキストが同じでも裁定が違ったり、コストか効果の判別が違う場合もあるのがここでは除外する。)
例えば、リミット・リバースとエンジェル・リフト。この2つのカードはかなり似ている性質を持つカードなのだが微妙に異なる点がある。
| リミット・リバース | 永続罠 |
|---|---|
| 自分の墓地から攻撃力1000以下のモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。そのモンスターが守備表示になった時、そのモンスターとこのカードを破壊する。このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。 | |
| エンジェル・リフト | 永続罠 |
|---|---|
| 自分の墓地に存在するレベル2以下のモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターがフィールド上から離れた時このカードを破壊する。 | |
このテキストで注目して欲しいのは、それぞれが自壊する条件である。
リミット・リバースは“このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。”というのに対して
エンジェル・リフトは“このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターがフィールド上から離れた時このカードを破壊する。”というもの。
この2つの自壊条件は一見すると、蘇生したモンスターと蘇生カードの間に因果関係があり、どちらかがなくなれば、
もう一方も破壊されるということのように捕らえてどちらも同じように思えるが実はかなり違う。
テキストの差異によって何が起きるのかというのをこれから説明したい。
まず、リミット・リバースの自壊条件は2つある。
1.このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。
2.そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。
まず、リミット・リバースで蘇生したモンスターが破壊される条件としては、リミット・リバースがフィールドから離れることと言うのが条件である。
具体的にどういうことなのかというと、サイクロンや大嵐等の効果によって破壊されたり、邪帝ガイウスのようにゲームから除外されたり、ハリケーンで手札に戻されたり、とにかくフィールド以外の場所に送られたら破壊されてしまう。
それに対して、リミット・リバース自体が自身の効果で破壊される条件というのは、モンスターが破壊されたときである。
これはどういうことなのかと言うと、モンスター同士での戦闘破壊や地砕きや激流葬などの魔法罠での破壊。手段は問わずに破壊されればリミット・リバースも連動して破壊される。
ところが、邪帝ガイウスの様に破壊を含まない除外や番兵ゴーレム等の効果で手札に戻った場合に関しては、リミット・リバースは破壊されずにフィールド上に残り続ける。
この場合リミット・リバースは何の意味のないカードとしてフィールド上に残り続けるのである。
しかし、そうした場合でもリミット・リバースをハリケーンや霞の谷のファルコン等で手札に戻すことが可能なので、魔法罠を回収できるようなカードが多いデッキにはリミット・リバースは有能。
次にエンジェル・リフトを見てみる。
1.このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。
2.そのモンスターがフィールド上から離れた時このカードを破壊する。
モンスターが破壊される条件はエンジェル・リフトがフィールド上から存在しなくなったとき、つまりフィールドから別の場所に移ったときである。
この部分はリミット・リバースと差異はあってないようなものだが、問題はエンジェル・リフト自身が自壊する場合である。
手段を問わずにモンスターがフィールドから離れた時、エンジェル・リフトは破壊されてしまうために、邪帝ガイウスや番兵ゴーレム等により除外や手札に戻った場合についてもエンジェル・リフトは破壊されてしまう。
エンジェル・リフトがフィールド上に残るケースは対象のモンスターを現在では裏側表示に変更することのみ。魔法罠を手札に戻すカードが多いのなら再利用がし辛いエンジェル・リフトは不向きだと思われる。
この様に自壊条件の穴をついていくことも視野に入れれば、土壇場で想定していなかった新しい戦術がとれる状況が生まれたり、デッキ構築の幅が広がったりする。
カードに穴が空くくらいテキストを読んでみるのも一興である。